北大菌の発酵ナノセルロースって紅茶キノコの仲間なの?

北海道大学が

『「北大菌」を用いて発酵ナノセルロース合成に成功』

…なるニュースを見て、

( ;´ Д`){おいおい北大菌って…小学生じゃあるまいし…。

…と思いながら北大のプレスリリース見に行ったら本当に北大菌って書いてあって白目を剥いた金曜の午後。

北大プレスリリースPDF:北海道発の新素材「発酵ナノセルロース」の大量生産に成功

果物から新規に単離した微生物(学名:Gluconacetobacter intermedius NEDO-01 株,以下;北大菌)が,廃グリセリンや糖質などを原料として,高い効率でセルロース(バクテリセルロース(BC))を合成することを発見しました。

へー。

廃グリセリンの再利用についてはバイオエタノールが本命の気もしますが
これはこれで興味深いですね…。

北大菌の作る繊維直径はクモ糸の1/250

なんでも北大菌の作るナノセルロース繊維の直径は平均20nmだそうですが、蜘蛛の作る繊維が5μm(=5000nm)程度と言われてますから大変な細さです。取り沙汰されてるGluconacetobacter intermediusは酢酸菌の一種とのこと。

先の北大プレスリリースによれば

酢酸菌などのある種の微生物は,直接ナノセルロースを合成することが知られており,これを特にバクテリアセルロース(BC)と呼んでいます。

…なのだとか。

ふぅん、そんなのあるんだ。ちょっとナタデココっぽくない?…って思ったらバクテリアセルロースの代表例としてナタデココが挙がってた。

ホテイ デザートナタデココ 3035g

ナタデココのナタ菌ってアセトバクターでは?

前にナタデココ調べたときに「ナタ菌はアセトバクター」と覚えてたので「グルなんとか菌」なんて知らないよ~って思いましたが、改めてよく見たら Glucon・acetobacter で「糖質ナントカ」なアセトバクターだった件。

しかも違うサイトでナタ菌のこと Gluconacetobacter xylinum って言ってたし、私が無知なだけでした。ごめんなさい。

で、その流れでナタ菌についてぐぐってみたら利用例に紅茶キノコが載ってて、びっくりしました。あれってナタデココの親戚だったのか…。

紅茶キノコ、第3次ブームかなんかの時に友達のお母さんがはまっちゃって猛烈に布教されそうになった恐怖の記憶しかありません。ナタデココ自体は好きなので、今度誰かに勧められたら試してみることにします。

紅茶キノコ的な何か

結局のところ北大菌とナタデココは何が違う?

ナタデココと北大菌の最大の違いは繊維が塊を作るか単一かっていうことみたいですね。ゼリー状にまとまるナタデココに対し、北大菌は塊を作らないのが特徴。紙のように梳いたり、樹脂の骨材にしたり工業的な展開が見込めそうです。

バクテリアセルロースで検索すると人工血管とかペーパーディスプレイとか色々出てきて非常に興味津々な感じでした。ちょっと続報が気になる内容だったのでメモしておきます。

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ナタデココはハイドロゲルですが、こちらはエアロゲルな話。ナタデココも出てきます。

【memo】

One-step production of nanofibrillated bacterial cellulose (NFBC) from waste glycerol using Gluconacetobacter intermedius NEDO-01 : Springer

参考:従来の常識とされた製法とは真逆のプロセスで砂糖とバイオエタノールを生産