【昆虫食】虫食いフェスティバルで純白ゴキブリ食べてきた!

話題の昆虫食イベント、虫食いフェスティバルに行ってきた感想です。定番のミルワームやコオロギを初めとして、貴重な純白ゴキブリなど、珍しいものを色々食べてきました!これから昆虫食を始める人へのアドバイスも伺いました。

【昆虫食】虫食いフェスティバルで純白ゴキブリ食べてきた!

平日はひたすらバグを潰し、また休日は花についた虫を潰す毎日です。嫌い嫌いも好きのうち、ということで昆虫を食べてきましたれぽ。

東京虫食いフェスティバル! 2014 vol5

今回で5回目となる東京虫食いフェスティバル at 新宿ロフトプラスワン。

昆虫料理研究家の内山昭一さんを筆頭に、虫に造詣が深いライターさんやクリエイターさんが多数出演されてとても多彩な構成でした。パネラーには振り付け師ラッキィ池田さんの姿も。内山さんの昆虫食仲間だそうです。

それぞれの方の専門分野から繰り出される虫トークで会場は大いに盛り上がってましたが、本稿は昆虫食の話メインでお届けしますー。

※比較的マイルドな画像を選んでお届けしておりますので、よほど虫が苦手な人じゃない限りOKだと思いまーす。

昆虫食を味見!

昆虫食特別メニュー

この日のための特別昆虫食メニューは5種。

  • 蚕蛾の塩焼きそば
  • 蚕の糞茶
  • 昆虫ミックスフライ(ミールワーム、コオロギ、サクラケムシ)
  • 蜂の子クリームスープ
  • タガメ酒

一部メニューは先日の昆虫大学でも試食させて貰ったので、タガメ酒とミックスフライを注文しました。

会場の物販KIBO社さんにてお土産用の乾燥コオロギを購入。オマケで蜂の巣蜜と乾燥ミルワーム&ナッツの盛り合わせ(塩昆布添え!)を頂きました。ちなみに、KIBO社さんはフランスの会社で、商談のために来日されたとのこと!

【虫注意:以下の空白をタップするかマウスオーバーでご覧下さい】
食用昆虫フライ盛り合わせ
写真左の上段がミールワーム、下段左がサクラケムシで右がコオロギ。右に行ってハチの巣蜜とミールワームのミックスナッツです。

タガメ酒は洋梨の香り

タガメはよく梨の香りに例えられ、タイを中心に伝統的な食材と聞きます。すっとしたフルーティーな香気と、レモンピールのすり下ろしを混ぜたような味わいでした。

リキュールのベース酒が書いてなかったので純粋にタガメの味が判断できず残念です。ロフトプラスワンのスタッフと昆虫料理研究会の方 両方にお訊ねしたんですが判りませんでした。ジンかウォッカみたいな風味でしたが、もしかして東南アジアの酒だったのかな。ストレートで飲んだけどロックの方が繊細な風味まで味わえたかも知れません。

【 追記:2015/09/30 】

登壇されたムシモアゼルギリコさんによるとテキーラだそうです。…ということは「すっ」の一部はテキーラ成分かも知れませんね。機会があればまた改めて味見してみたいです。

ミ-ルワームの乾燥とフライ

良くペットコーナーで生き餌として売ってますね。

NPF ミルワーム35g(生タイプ缶ミルワーム)

小型の乾燥ミールワームはさくさくした歯ごたえで、味と言うより食感のみな感じ。栄養価は高いと言いますから、むしろ栄養補助食品的な立ち位置でしょうか。シリアルと混ぜて出したら違和感ないんじゃないかな!(・∀・)

他方、大物のフライはシャコをすり身にしたような味でした。多少殻が舌に残るけど、エビの丸揚げで足が残る感じに近いかな。サイズと調理法で食感がかなり違います。

コオロギの乾燥とフライ

コオロギの素揚げは風味豊で美味しかったです。食草がイネ科だからか、ふわっとお茶のような香りがします。揚げてるからほうじ茶っぽくもある。豆腐しんじょに大麦若葉青汁の粉を混ぜて篠田巻(←油揚げ巻き)にして揚げたら似た感じになりそうです。

KIBO社さんの乾燥コオロギはあまり青臭くなく、うまみが強かったですね。

サクラケムシの素揚げ

サクラケムシ こと モンクロシャチホコは、その名の通り食草を桜とする毛虫です。その香りはまさに桜そのもの。幼虫のフライは後味に少し苦みがあったので多少好みが分かれるかも。

そういう意味では、先日食べた幼虫うんこで炊いたご飯は桜餅みたいで美味しかったです。仕出し屋さんとかでおこわにしたら普通に人気出ると思う。マジで。

蜂の巣蜜

お馴染みのコムハニー。昆虫食とは呼べないレベルのポピュラー食材です。いわゆるハニカム構造をした蜜ロウの中にハチミツがたっぷり入ってます。

天然アカシヤ巣蜜

ハチミツを取ったあとに残る蜜ロウを、植物油に溶かすとハンドクリームや床用ワックスになります。

むしくいノート [ ムシモアゼルギリコ ]
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ポップな装丁で盛りつけも綺麗だよー。

アイディア昆虫料理コンテスト

第二部は昆虫料理コンテスト。いずれも虫の味わいを生かして調理されてることが伝わってくるレシピでした。事前エントリーを受けた中から勝ち抜いたノミネート作品4種がこちら。

  • 昆虫だしを生かした和風膳3品
  • 香り高い虫を使った色鮮やかなカフェ飯ふうプレート
  • セミの抜け殻とモウセンゴケを使った葛よせ和スイーツ
  • デュビアのアヒージョ

料理名とか正確じゃないと思います。すみません同時進行で色々な資料が飛び交っていて忙しすぎた…。

カフェ飯風のごはん(下の写真右)は客席までターメリックの香りがして歓声が上がりました。トッピングされてるのはサクラケムシとタガメとセミとコオロギ。

セミの抜け殻はグラム2000円の漢方薬

セミの抜け殻団子と蟲プレートご飯

左の葛よせっぽいスイーツは薬膳にヒントを得た労作です。ダシに使われたモウセンゴケ(食虫植物)には咳止め効果があるそうです。

メイン食材であるセミの抜け殻は れっきとした漢方薬で、セミの抜け殻って500gで1万円するんですってよ奥様!(⊙Д⊙)

キチン質は消炎効果あるって言いますけど、セミの抜け殻も漢方薬なんですね…。夏のたびに「セミうるせー!」とか言ってないで、ガンガン採ったら良ろしいよ。

高級食材!純白デュビア

最後のエントリーはデュビアジャパン株式会社の社長さんによる「デュビアのアヒージョ」。デュビアというのはアルゼンチンの森林棲ゴキブリのこと。 本来は爬虫類等の生き餌として販売しているものだそうです。

通常個体は茶色くて「いかにもゴキブリ!」「殻も固い」のだとか。

今回の食材となった純白デュビアはアルビノ(色素欠損)固体ではなく、通常の固体が脱皮したもの。エビやカニで言うところの「ソフトシェル」状態です。脱皮直後のゴキブリに色がないのは知識として知ってましたが、本当に純白なんですね!

このやわらかな状態はほんの2~3時間なんだそうで、今日のために見つけ次第 急速冷凍して確保したと仰ってました。

デュビアのアヒージョ

そんなわけで料理名はデュビアのアヒージョです。アヒージョとは最近人気のスペイン料理でちょっと辛いニンニク風味のオイル煮のこと。オーソドックスなレシピではよくエビが使われてます。

エビと昆虫って結構近い生き物なので、その点でも直球という感じ。料理は客席の一部にも振る舞われました。

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ゴキブリのアヒージョ

『この食材に値段をつけるとしたら?』という内山氏の質問に対して、社長の回答は『グラム単価では最高級牛肉の倍くらい』とのことでした。爬虫類いいもん食ってるなぁ…。(((( ;゚Д゚)))

実際に食べてみると、びっくりするくらいクセのない味でした。むしろクセがなさ過ぎて実感がなかった。ブログネタとしては一体どうなんだ。別にリアクション取りに行くわけじゃないけど、もう少し食感か味が欲しかったです!

昆虫食最前線:いま養殖すべきイモムシ

セッション中盤では昆虫食を研究してらっしゃる蟲喰ロトワ氏の昆虫食講義がありました。個人的にはこの講義を聞きたかったのが直接の動機です。

蟲喰ロトワさんは、昆虫学を研究する傍ら学術的視野から昆虫食の可能性を掘り下げてる方です。ブログ「蟲ソムリエへの道」ではさまざまな虫を試食した記録がずらり。
蟲ソムリエへの道

食草とイモムシの味

数ある昆虫のうち「どれが食べらるか」という情報を一体どこから得てるのでしょう。味見の際に虫を選ぶ基準は『毒虫との記載がないもの』『食草の性質から判断』してるとのことでした。

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ソムリエのお勧めは第3集。

食草と虫の味については、園芸趣味である私にとっても非常に身近な話題です。同じキアゲハでもパセリにつくのと三つ葉につくのでは香りが違うんですよね。毒草でもお構いなしに食べるイモムシ(…というかその毒草だけを食べる虫)も沢山いるので、確かにそういう種は避けた方が良さそうです。

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達人の知見:美味しいイモムシはパリっとジューシー

皮目がぱりっとしてるのが美味しいイモムシの特徴だとか。

「美味しいイモムシはパリっとした心地よい歯ざわりがあった後、少し遅れて植物の香り、タンパク質の旨味、脂質のコクがジュワーっと一気に広がります。
 これを模倣した製品がシャウエッセンであることは言うまでもありませんね!」

やっばい、蟲喰ロトワ師の名言キタで…。

葛の葉につくトビイロスズメは美味い

中でも葛の葉につくトビイロスズメはイチオシの美味さだとか。

芋虫を食べるに当たって注意すべきこと

ただ、夏頃にTwitterで「美味いんだけど葛の水揚げが悪いから管理が大変」って仰ってた気がします。なのに、いつの間にかイモムシ養殖プラントが開発されてて震えるわ。(写真右下)

除草とイモムシの養殖を両立する

面倒な幼虫の成育管理も、養殖プラント(洗濯ネットとも言う)に幼虫と蔓を繰り入れておけば万事解決!除草と養殖が一挙に達成できるって算段ですね。

イモムシの種類によっては糞も活用出来るので、一石何丁にもなりますよ。

(゜Д゜){ふえぇぇぇぇ…。

「実用色用昆虫図鑑β」

【 本章追記:2015/09/30 】この日の縁で蟲喰ロトワさん謹製の昆虫食マニュアル「実用色用昆虫図鑑β」を入手してたんですが、感想書いてなかったことに気付いたので今さらですが追記。

本書は文庫版サイズで60ページほどの内容です。これまでブログに書かれてたイモムシの食味感想が豊富な写真と共に綴られています。

幼虫とサナギでどのように味が違うかなど一般の昆虫書籍にはない視点で書かれてるので、これから虫を食べようって人には大推薦の一冊となるでしょう。

残念ながら完全限定配布本ですが、書籍化の噂もちらほら伺ってます。完全版の出版をファンとして心待ちにしておりまーす!(・∀・)

昆虫食イベント行ってきましたれぽ

そんなわけで熱い世界の一端を垣間見てきました!皆さん食材として真剣に向き合ってる感じが良かったです。

代替食材として期待されてるけど、安定供給はまだ難しいのかな~って印象です。食べやすい品目の養殖技術が確立すると良いですね。

興味沸いた方はイナゴや蜂の子など伝統的な物から試してみて、好みに合うようだったら近くのワークショップなどに参加されてみては如何でしょうか~。

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混ぜご飯がオススメとのこと。

ほんと楽しい会で楽しみました。運営の皆さんお疲れ様でした~!
虫食いフェスティバル

エピローグ:コオロギは草の香り

その帰りの道すがら。マフラーに顔を埋めながら歩いていたら、ほのかに漂う草いきれに気づきましたよね。街路樹もまばらな大都会・新宿で、なぜこんなにも草の香りがするんだろう?

正体に気付いて大爆笑ですよ!

人と会う前にコオロギ食べるときは、いつも以上に念入りに歯磨きしてお出かけ下さい!(・∀・)

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昆虫料理研究会さんも参加されてました。

【 更新履歴等 】

2014/11/26 初稿発表
2015/09/30 「実用色用昆虫図鑑β」追記 / 表題変更しました

旧題:【昆虫食】プライスレスの高級食材!純白ゴキブリを食べてきた